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化学研究|炭素繊維関連製品

炭素繊維関連製品

炭素繊維を使用した複合材料は、軽量・高強度など優れた特性をもち、宇宙航空分野・スポーツレジャー分野から工業部品まで幅広く利用されています。
新日本石油では、炭素繊維を利用したさまざまな用途開発を進めており、部材の軽量化を通じて、省エネルギー化・温暖化ガス排出削減に貢献しています。

優れた特性と幅広い用途

ピッチ系炭素繊維の開発

新日本石油は石油ピッチの有効利用を目的として、1981年より高性能炭素繊維の開発に着手しました。1989年に商業生産を開始したピッチ系炭素繊維(写真1)は、高弾性率(最大900GPa)、低熱膨張率、高熱伝導率(最大600W/mK)などの特長をもっています(図2)。
現在、このピッチ系炭素繊維は日本グラファイトファイバー株式会社にて製造、販売されています。

関連リンク

日本グラファイトファイバー株式会社ホームページはこちら

写真1 ピッチ系炭素繊維の断面(直径約10μm)

ピッチ系炭素繊維の断面(直径約10μm)

図2 各種材料の比強度と比弾性率

各種材料の比強度と比弾性率

軽量・高剛性

工業用部品には特に高い剛性と軽量化を要求されるものが多く、新聞輪転機用ゴムロールや液晶搬送用ロボットハンドのほとんどに、高弾性率炭素繊維が使用されています。
新日本石油では有限要素解析などの手法により、これら製品の最適設計を行なっています。
スチール製のロールと同じ外径、剛性で設計した長さ1730mmのコンポジットロール(写真3)は、重量は半分以下となり、また慣性モーメントが小さいため、回転速度を約2倍に上げることが可能です(表4)。

写真3 コンポジットロール

コンポジットロール

表4 スチールロールとコンポジットロールの比較

 

スチールロール

コンポジットロール

曲げ剛性 等価剛性で設計
重量 kgf 28.0 12.7
回転慣性モーメント比 100 37.2
最高回転数 rpm 5,900 11,700

耐熱耐湿特性

ゴムを被覆したゴムロールを製造するには、過酷な加硫条件(150℃のスチーム)に耐えられるマトリックス樹脂が不可欠です。新日本石油の開発した耐熱耐湿樹脂は、この条件下での吸湿率が従来の耐熱樹脂の半分以下であり(図5)、新聞輪転機用ロールなどに広く採用されるようになりました。

図5 新日本石油樹脂の耐熱耐湿特性

新日本石油樹脂の耐熱耐湿特性

振動減衰特性

液晶搬送用ロボットハンド(写真6)においては、近年、液晶の大型化・重量化に伴って、搬送する際の振動が大きな問題になってきています。ピッチ系炭素繊維を用いて当社が開発したハンドは、負荷時のたわみが小さいだけでなく、振動減衰性が優れている(図7)ことが決め手となって、多くのロボットメーカーに採用されています。

写真6 液晶搬送用ロボットハンド

液晶搬送用ロボットハンド

図7 振動減衰特性

振動減衰特性

製品紹介はこちら

新日石コンポジットロール

熱特性

炭素繊維は熱膨張係数がマイナス(加熱すると繊維方向に縮む)という他の材料にない特性を有しています(図8)。
この特性を利用して、他材料と組み合わせたり、複数の繊維配向を組み合わせたりすることによって、熱膨張係数ゼロの部材をつくることが可能です。
軽量・高剛性であることに加え、熱膨張率をゼロにできることを活かして、過酷な温度環境下で厳しい寸法安定性が要求される人工衛星のアンテナ(写真9)や光学部品に、新日本石油の製品が採用されています。
また、銅を超える高熱伝導率特性(図10)は、放熱材料としても期待されています(写真11)。

図8 炭素繊維の熱特性

炭素繊維の熱特性

写真9 人工衛星アンテナ(JAXA ETS-8)

人工衛星アンテナ(JAXA ETS-8)

図10 各種材料の熱伝導率

各種材料の熱伝導率

写真11 放熱フィンへの応用

放熱フィンへの応用

電気特性

炭素繊維の導電性を利用した床暖房システムを製品化しています(製品名「ゆかい~な」:図12)。
施工のしやすさとスピーディな温度上昇、経済的なランニングコストが幅広い支持を得ています。研究所では、耐久性試験や消費電力測定の結果を設計にフィードバックすることにより、製品改良に寄与しています。

図12 「ゆかい~な」の仕様

「ゆかい~な」の仕様

製品紹介はこちら

ゆかい~な

軽量・高強度・耐腐食性

軽量、高強度かつ耐腐食性に優れている炭素繊維は、コンクリート構造物補強用途にも多く使用されています(製品名「TUクロス」:写真13)。
さらに当社独自で開発したHiPer CF工法(図14)は、コンクリートと炭素繊維シートの間に柔軟な樹脂層を設けることにより、従来工法より有効にかつ低コストでコンクリート構造物を補強することができ、注目を集めています。
また、CFB工法は、帯状(幅5cm×厚さ0.2mmのベルト状シート)の炭素繊維(製品名「TU BAND」:写真15)を柱の外周に巻き付け、樹脂を含侵させて硬化させることにより十分な耐震性能を与える工法です。鋼板巻きなどの一般的工法の適用が困難な箇所でも、材料搬入・施工は全て人力で行うことが可能であるため、特に高架下を利用している場所の壁などの支障物のある箇所や狭隘な箇所で優れた施工性を発揮します。

写真13 TUクロスによる橋脚補強

TUクロスによる橋脚補強

図14 HiPer CF工法断面図

HiPer CF工法断面図

写真15 TU BANDによる柱補強

TU BANDによる柱補強

製品紹介はこちら

TUクロス

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