仕事と職種社員インタビュー

設備トラブルの迅速な対応が、
製油所の収益に直結する。
担う責任の中にある確かなやりがい。

安積 昌志

水島製油所 
設備保全2グループ
2020年入社
理工学研究科機械システム専攻修了

CAREER
CHANGE

前職

重工メーカー

原子力発電所の非常用発電設備の設計に従事。ディーゼル発電機、燃料油タンク、配管、ダクトの設計に関して、エンジニアリング会社への図面設計および解析の作業指示、チェック等を担当した。対顧客の窓口として設計を取りまとめた。

現在

設備保全

製油所内で発生する設備トラブルを未然に防止するため、各種装置のリスクを洗い出して補修計画を立案。また、日常的に発生する不具合に対して、運転グループや協力会社と連携し、補修計画の立案、施工管理を行なっている。

現場=モノに向き合って技術者としての幅を広げたい。
業界トップの企業が持つ大きな可能性に惹かれた。

大学院では燃焼工学を専攻しました。その知見を活かすべく、大学院修了後はプラントメーカーに就職し、ゴミ焼却施設の設計に従事しました。その後、就活時に採用が見送られた重工メーカーに再チャレンジし転職。原子力発電所関連設備の設計を担当することになりました。しかし机上での検討が多く、実物を見る機会はほとんどない状態。技術者として実際にモノに触れることができない状況に、かなりフラストレーションが溜まったのは事実です。
そこで現場=モノを見ながら取り組める環境で働くことで、技術者としての幅を広げたいと思い転職を考えました。ENEOSの製油所は、そんな私の希望が叶う場であり、またプラントオーナーとして上流から計画に携わることができるのも魅力的でした。加えて業界トップであることから、多彩なプロジェクトに関わることができる可能性があること、そしてこれまで培ってきた知見が活かせると思い、入社を決めました。

設備トラブルに速やかに対応、設備管理戦略を立案。前職で培ったスキルやノウハウが活きる。

前職では設計業務に従事していましたが、まずは現場=モノを知ることが重要であることから、現在の担当である設備保全の業務に就きました。設備保全には大きく分けて二つのアプローチがあります。一つは「予防保全」。設備トラブルを軽減し、効率よく補修を行うために各リスクに対して、どのような点検、補修を実施していくべきかを「設備管理戦略」として検討し、立案していきます。
もう一つのアプローチは「事後保全」。製油所の装置は常に過酷な環境の中にあり、各種装置は日常的に何かしらの不具合が発生します。たとえば配管からの水漏れやバルブの不調など。現場からこうした不具合の連絡を受け、私たちのグループは補修計画を立案。その後、協力会社による補修工事が行われ、その施工管理も担います。印象深いのは、転職初日から、先輩方のサポートを受けながら、要求仕様書の作成という責任のある仕事を任せてもらえたこと。前職で培った「図面を読むスキル」「業務の進め方のノウハウ」などはそのまま活かすことができ、幸先の良いスタートを切りました。一方で石油精製設備の知識は皆無に近かったため、機器構造や補修方法は、今も継続して習得中です。

補修工事で生産は減少。いかに損失額を抑えるか。コスト圧縮により、製油所の収益維持・向上に寄与する。

補修業務は製油所の安定稼働、生産性向上を担う取り組みですが、一方で収益にも直結する業務です。不具合が発生し補修計画を立て、実際に工事を行う際、装置は停止しなければなりません。装置が稼働しませんから生産は減少し、収益の損失が発生します。したがって、いかに工事期間を短縮できるか、私が担当する補修計画が重要になってきます。
例えばある装置に問題が発生し、早急な補修が必要になったことがあります。計画では工事期間は1ヵ月半。それをどれだけ短縮できるか。さまざまな工夫と協力会社に24時間体制を依頼して工程管理を徹底したことで、1ヶ月に短縮することができました。装置の交換というのは莫大な投資が必要になります。もちろん高経年化による寿命を迎えた装置は更新するものの、補修で稼働可能なものは私たちが対応します。製油所を安定稼働させると同時に、自分たちの取り組みによって、コスト圧縮を最大化し、製油所の収益向上に寄与できることにやりがいを感じています。
また私は、大学時代から機械分野を専攻していたので、実際に装置(機械)に触れ、その構造を知ることは知的好奇心が刺激されますし、技術者としての知見の蓄積に繋がっています。

設備保全から設備設計の仕事へチャレンジしたい。
エネルギーの安定供給の実現で社会に貢献していく。

2023年秋、製油所にとって最大のイベントともいえる4年に一度の定期修理工事(定修)が行われます。定修は法令の定めに基づき、装置・設備の安全確保のため、点検・検査・補修を行う工事で、製油所のすべての装置・設備の稼働は停止。それまでに計画してきた工事を実施し、その先4年間の安定稼働の実現と、一層の生産性向上を目指した製油所へと進化を遂げます。
入社以来すべてが挑戦の連続でしたが、定修も初めての経験。定修計画に関して私たち設備保全グループは、担当設備に関して運転グループとリスク、補修方法を協議して補修計画を立案します。これら設備の保全のために必要と考えられる補修を実施するためは、予算を獲得しなければなりません。過去の事例や起こりうるリスクを検討し、社内審議で補修の必要性、予算金額の妥当性について理解・納得を求めていく必要があります。その難しさはあるものの、プラントオーナーとして上流の計画に携われることにもやりがいを感じています。
また前職と比較して、非常に働きやすいという面もあります。チームとして進める業務が多いことからコミュニケーションが活発で、周囲の仲間と良好な関係が築かれているからだと思います。今後は、前職の知見がダイレクトに活かせる設備設計の仕事にもチャレンジしたいです。そしてエネルギーの安定供給を実現する一助となることで、社会に貢献していきたいと考えています。