燃料・化学品研究

使用済タイヤのケミカルリサイクル

低炭素・資源循環型社会に向けて

図1 使用済タイヤのケミカルリサイクルイメージ

世界各国でカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが加速しています。使用済みプラスチック・ゴム製品の多くは、サーマルリカバリー(熱回収)により燃料として有効利用されていますが、その際にCO2排出を伴います。低炭素・循環型社会の実現のためには再生可能資源の利用促進が重要となります。
当社は株式会社ブリヂストンと共同で「使用済タイヤの精密熱分解によるケミカルリサイクル」技術の開発を行っており、さらなるCO2排出量の削減や資源循環性の向上に取り組んでいます(図1)。

リサイクルプロセス

図2 日本の使用済タイヤのリサイクル状況
(出典:一般社団法人日本自動車タイヤ協会)

私たちの身近に存在するタイヤは、自動車・交通需要の増加に伴って将来も需要の拡大が見込まれています。タイヤの主な材料の一つとして、石油由来の合成ゴムが使用されており、使用済タイヤの多くはサーマルリカバリーされています(図2)。「使用済タイヤの精密熱分解によるケミカルリサイクル」技術を用いたリサイクルプロセスが実現すれば、CO2排出量の削減や再生可能資源の利用促進に貢献することができます。

開発中のリサイクルプロセスでは、使用済タイヤを精密熱分解して得られる分解油を石化原料(ナフサ等)化し、この石化原料から合成ゴムの素原料であるブタジエン等の化学品が高収率で製造されます(図3)。当社が有する原油精製技術や基礎化学品製造に関する基盤技術を利用して、使用済タイヤのケミカルリサイクル技術の確立を目指しています。

今後も本開発を継続して持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

図3 ケミカルリサイクルプロセスのフロー