工業用潤滑油(機械油)
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04摩擦係数トラクション係数摩擦係数改善ポイント技術的解決策0.0400.0300.0200.0100.000204060滑り率%80100スーパーハイランドSE/SE-Pの開発にあたりENEOSでは、「境界潤滑領域」「EHL領域」「流体潤滑領域」の各潤滑領域で、油圧作動油の摩擦特性を向上させることが有効な方法であると考えました。摩擦低減効果に対する考え方SRV試験【試験条件】ボールオンディスク(SUJ-2)温 度 : 40℃周波数 : 50Hz振 幅 : 1.5mm荷 重 : 100N溶剤精製基油(VI=101)水素化分解基油(VI=104)高度水素化分解基油(VI=130)ボールオンディスク試験【試験条件】速度1m/s、0.49GPa潤滑油基油のトラクション特性スーパーハイランドSE46市販Zn系作動油(VG46)市販非Zn系作動油(VG46)EHL領域流体潤滑領域基油のトラクション係数基油の粘度高度水素化分解基油の適用低粘度化境界潤滑領域添加剤吸着膜摩擦調整剤の添加、非亜鉛系処方EHL領域における摩擦低減スーパーハイランドSE/SE-Pは、溶剤精製基油よりさらにトラクション境界潤滑領域における摩擦低減Zn系添加剤は摩耗防止剤として油圧作動油に広く使われておりますが、係数の低い高度水素化分解基油を使用しています。高度水素化分解基油の特長は、直鎖状炭素鎖の長い組成が多いため、粘度-圧力係数が小さいことです。そのため、高圧下での粘度が低く、トラクション係数つまりEHL領域での摩擦係数が低くなります。スーパーハイランドSE/SE-Pは、摩擦係数を高めるZn系添加剤を使用せず、非Zn系極圧添加剤と摩擦調整剤を組み合わせることにより低摩擦化を実現します。※Zn系添加剤は、金属表面上にガラス状ポリリン酸塩被膜を形成するため比較的高い摩●ポンプにおける潤滑領域ポンプ摺動部は基本的には流体潤滑ですが、部品の摩耗が認められることから境界潤滑領域も存在すると考えられます。また、高圧下では部分的EHL(弾性流体潤滑)領域も存在します。●各潤滑領域における摩擦低減因子スーパーハイランドSE/SE-Pは、すべての潤滑領域において摩擦低減を実現します。●各領域における技術的課題開発思想境界潤滑領域EHL領域境界潤滑混合潤滑EHL非Zn系極圧添加剤+摩擦調整剤高度水素化分解基油適用(高粘度指数化)流体潤滑領域流体潤滑スーパーハイランド46低粘度化スーパーハイランドSE46スーパーハイランドSE32擦係数を示します。0.140.1350.130.1250.120.115各潤滑領域での摩擦低減化を目指す

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