工業用潤滑油(金属加工油)
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3焼入れ焼入れの原理焼入油の設計思想沸点……粘度……対流段階での冷却性に影響します。沸騰段階が始まる温度(特性温度)と、沸騰段階が終了する温度に影響します。なお、持ち出し量(消費量)や洗浄性にも影響します。基油焼入れ性向上剤沸騰段階が始まる温度(特性温度)を高めます。……鉄原子……炭素原子ァルト系添加剤を、透明タイプでは特殊なポリマーを用いています。これらが、焼入れ性(冷却特性)におよぼす影響を、以下 鋼材の硬さは、鋼材中の炭素の量と状態によって決まります。鋼材中の炭素の役割は、鉄筋コンクリートの鉄筋に例えられます。鉄筋が一部に片寄っているよりも、全体に均一な状態の方が頑丈なのと同様に、鋼材中の炭素も均一に分散していた方が、鋼材は硬くなります。 焼入れ前の鋼材では、炭素が不均一であるため、あまり硬くありません。これを加熱すると(通常800℃程度)、炭素は鉄原子の中に分散・溶解していきます。その後急冷すると、炭素の均一な状態が「瞬間凍結」され、非常に硬くなります。これが焼入れです。また、炭素の均一な状態が瞬間凍結された組織を、マルテンサイトと呼びます。 ユニクエンチシリーズの焼入油の基本組成は、基油と焼入れ性向上剤です。焼入れ性向上剤には、従来タイプではアスフに示します。これらの基油・添加剤は厳選されたものであり、優れた安定性を有しています。したがって、光揮焼入れにも使用できます。熱処理油:ユニクエンチシリーズ

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