At First挑戦する若手座談会
〜多様な個性の成長について〜

2040年の社会シナリオを描いた長期ビジョン。その未来の実現に向けて、ENEOSではさまざまな挑戦が始まっている。そのひとつが2019年に新設された未来事業推進部だ。大きな権限と責任とともに、社会が求める価値に応えるミッションを託された若き3人に、革新の最前線の風景を語ってもらった。

TALK MEMBER

  • 関 悠一郎SEKI YUICHIRO
    未来事業推進部 事業推進2グループ
    環境・エネルギー研究科修了 
    2012年入社
    ※会社名・組織名・所属名・インタビュー内容等は取材当時のもの

    石油精製プラントで改造案件のコスト・スケジュール管理などを行うプロジェクトエンジニア、プラント保全に関わるメカニカルエンジニアを歴任。受動的なキャリアパスではなく能動的にキャリアを選択したいと思い、社内公募制度に応募して現部署へ。

  • 高嶺 景TAKAMINE KEI
    未来事業推進部 事業推進1グループ
    法務研究科修了 
    2013年入社
    ※会社名・組織名・所属名・インタビュー内容等は取材当時のもの

    入社後4年間は法務部で国内、海外法務を担当。JXTGグループの統合にも奔走した。その後電気事業のアライアンス業務に携わり、2019年度のChallenge Xに応募したアイデアが採択されて現部署へ。現在起業に向けた活動を展開中。

  • 澤田 拓朗SAWADA TAKURO
    未来事業推進部 事業推進3グループ
    社会科学部卒業 
    2014年入社
    ※会社名・組織名・所属名・インタビュー内容等は取材当時のもの

    入社後は経理部門からスタート。固定資産管理や製油所原価計算などを3年間経験した後、関西地区で燃料油販売に従事。そこで中長期的には燃料油の需要が減少すると実感し、将来の収益の柱の芽を見つけたいと社内公募に応募して現部署へ。

未来事業推進部が進める新たな取り組みとは?

澤田

未来事業推進部のミッションは、既存事業とは非連続な新規事業を創出すること。3つのグループがそれぞれニーズ発掘に始まり、技術・スタートアップ探索や、事業化に向けたプラン策定、実証などを遂行しているわけですけど、まずはそれぞれが何に取り組んでいるかを紹介しましょう。

2グループのテーマは低酸素・循環型社会の実現です。環境負荷削減につながる新規ビジネスの芽を探すこと、たとえばアクセラレータープログラムに採択された営農型太陽光発電もそのひとつ。農業と発電を同じ土地でやろうという試みですね。

高嶺

私は2019年度のChallenge X(※)において採択された、訪日外国人にドライブ・ツーリング観光を促進するサービスの立ち上げを進めています。2021年中に会社を設立する予定です。

いまの進捗状況は?

高嶺

今は、製品の開発やトライアルでPR活動を実施しています。今後は事務所の確保や人の採用など実際に会社設立に向けた準備をしていく予定です。

澤田

3グループは街づくりやモビリティをテーマに新規ビジネスを探索しています。ENEOSの強みは全国12,000カ所超のSSというリアルなネットワーク。ここを起点に街づくりに貢献することを考えています。

高嶺

今の段階で公にしても大丈夫な取り組み例はある?

澤田

具体的に取り組んでいるのは短距離移動交通サービスです。たとえばカーシェアやレンタカー。便利ですけど、家のすぐ近くにないと実用的ではないですよね。今目指しているのは、車やスクーター、自転車といった短距離移動に優れたシェアモビリティをたくさん町中に配備することです。電車、バスに続く新しい公共インフラをつくってみたいですね。もうひとつはEV化に伴うバッテリービジネスです。中古の車載バッテリーを蓄電池として再利用し、さらに部品をリサイクルするサイクルをつくり上げれば、EV最大の課題である高額なバッテリーのコストをシェアできる。それは結果的にEVの普及、環境負荷低減に結びつくと考えています。

※「Challenge X」
2019年度から開始した社内起業プログラムです。在籍年数や職位等の応募要件はなく、テーマも自由。アイデアの検証活動と複数回の審査を経て、最優秀賞を受賞した提案者は、未来事業推進部に異動して事業化の最終検討を行い、会社設立後は自らが経営者となることができます。なお、初年度である2019年度には200件を超えるアイデアが集まりました。

取り組みを進めるためのアイデアの源泉とは?

公にできないものも含めて、いろいろな新規ビジネスの種を蒔いているけれど、お二人はその起点となるアイデアをどうやって生み出しています?

高嶺

ベースは自分の体験ですね。最初のユーザは自分自身なんて言葉もありますし。そこから、周りの友人と意見を交換したり、さまざまなスタートアップ企業の方々と話したりするなかでヒントをつかむことが多いですね。

澤田

積極的に外と交流しようというのが部の基本スタンス。だからInspired.Lab(※)を拠点にしているわけです。スタートアップと一緒に仕事しているとすごくおもしろいアイデアが出てくる。ぶっとんでいるのも多いけど。それは大きな刺激になっていますね。

私の場合は現在の社会が抱える課題やニーズを把握し、何を改革すればよりよい変化が生まれるかを考えるよう心がけています。アイデアを出すことが目的でなく、問題を解決するプロセスのなかで新しい発想が生まれると思っています。

※Inspired.Lab(インスパイアードラボ)
東京・大手町にあるビジネス・イノベーション・スペース。

改革に向けたENEOSの組織風土とは?

澤田

私たちは新規事業の開発に関して、かなり権限も委譲されて、自由にやらせてもらっていますけれど、会社のバックアップ体制についてはどう思います?

すごく積極的だと思いますよ。エネルギー産業って社会インフラですからね。安定供給という使命を持っている企業は、基本的に手堅く堅実な企業文化を持っています。保守的であって当たり前。しかし、少なくともこの部署についてはチャレンジが尊ばれる。個々人に責任を与え、自由に仕事を進められるようにしていると感じます。

高嶺

本当に自由にやらせてもらっています(笑)。周りを見ると、新規事業への挑戦を謳う会社は多いですね。
しかし、いざ号令がかかると、「それは既存事業との兼ね合いでいかがなものか」と頭を押さえられるという話はよく聞きますよ。変革しなくてはいけないという会社の強い意気込みを感じます。

澤田

確かにENEOSの改革意欲は本物ですね。私もフリーハンドで自由にやらせてもらっています。ENEOSとしてこうしろ、という縛りは一切ない。既存事業とのシナジーを考えろとか、アセットをうまく生かせとか、そういうのもない。まあ使えるアセットは使い倒しますけど。

自由にやりたいことを口に出せ、口にした以上責任を持ってやり通せ。そういう組織風土は根づき始めていると思います。

新規事業を通して成し遂げたい夢とは?

高嶺

これから挑戦してみたいこと、仕事を通して実現したいことって何ですか?

ジョイントベンチャーでもカーブアウトでも、自身のアイデアで事業化した会社で社長を経験したいかな。会社員は今もやっているし、これからもできるし。未来事業部の掲げる「既存事業とは非連続な新規事業の創出」を自分なりに解釈すると、既存事業をぶっ潰すことじゃないかなと。社会のニーズに合わせて生み出す新しい事業が、いまのENEOSの事業にとって代わる。そういうビジネスを育ててENEOSの既存事業に成り代わる企業の社長になりたい。

澤田

個人的な目標は、誰が聞いても理解できることを仕事にし、誰もが知るような新しいサービスを作ること。漠然としているけど、社内にしかわからないような仕事ではなく、子どもにこんな仕事だよと言ってわかるようなことをしたい。たとえば街の交通インフラをENEOSが支えている。実はこれをつくったのがお父さんだよと胸を張れるような。

高嶺

私の価値観を一言で示すと「世界は美しい」。美しいというのは風景だけでなく、人や文化も含めてですね。世界中の人が世界の美しいものと簡単に触れ合えるようなモビリティサービスをつくりたいと考えています。今は夢物語かもしれないけれど、たとえばアフリカの少年がスマホを使って月旅行を30分で予約できる、そんな社会にしたいですね。

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