INTERVIEW
社員インタビュー

ポリブテンの
需給バランスを調整し
利益の最大化をはかる

非化石・素材系事業部門(基礎化学品)
L.H.
- オレフィン部 機能原料グループ
- 理工学研究科修了
- 新卒採用2014年入社
2015年9月
機能化学品カンパニー 不織布事業ユニット 不織布セールス&マーケティンググループ配属機能性材料の国内営業および中国市場向けの新規用途開拓などを担当。
2015年10月~2016年9月
JX ANCI株式会社 営業1グループ組織再編でJX ANCI株式会社へ。機能性材料の国内営業のほか、中国企業との業務提携プロジェクトを担当。
2016年10月~2020年3月
JX ANCI株式会社 営業企画1グループ中国・台湾・東南アジア・豪州の市場開拓および営業を推進。従来顧客のフォローアップから新規顧客の開拓までを一人で担当した。
2020年4月~現在
オレフィン部 機能原料グループポリブテンの需給バランス管理およびポリブテン輸出販売管理を推進。主に中国、台湾、欧州市場向けの直売相手先を担当。
入社動機
私の学生時代の研究テーマは、プラスチックやゴムなど高分子の合成および物性分析です。将来は、大学で培った高分子の専門知識を生かし、新素材の創出や新たな用途開拓に携わる研究開発者をめざしていました。そこで、最初は新素材開発に挑戦できそうな化学品メーカーを中心に就職活動を行ってきました。しかし、さまざまな企業研究を進めるうちに、自社が得意とする技術分野を軸に円状展開している一般的な化学品メーカーよりも、多彩な技術を擁し、多彩な事業を展開する総合メーカーの方が、より広範囲で経験を積むことができ、自分自身の成長につながるのではないかと考えるようになりました。ENEOSは総合エネルギー会社として石油・石炭・ガス・化学品全般をカバーする、多岐にわたる事業を展開している企業です。当社でなら、より広い分野でチャレンジができると考え志望しました。
入社後は6年間にわたり、機能性材料の国内販売および海外展開に関する業務に携わりました。職種は研究開発ではなく法人営業ですが、若手にも権限を委譲し、思い切ったチャレンジができるため、多くの経験を積むことができました。

現在の仕事内容を教えてください。
オレフィン部機能原料グループはC4誘導品と呼ばれるポリブテン、ポリイソブチレン、エバータックを販売しているグループです。これらの製品は、原油の精製処理過程で残留分となるラフィネート1(※)を原料とする誘導品です。ラフィネート1はそれ自体用途がとても限られているものですが、当社では高い生産技術によって、産業用添加剤や医療用品原料等に使用されるポリブテンやポリイソブチレンなどの高付加価値製品を生み出しています。これらの誘導品を世界中に販売することが機能原料グループのミッションです。
私は、ポリブテンの需給バランス管理と輸出販売を担当しております。需給バランス管理とは、生産過剰や供給不足にならないよう生産、在庫、販売を担当する3つのセクションを連携するものです。それぞれのセクションの状況を詳細に把握したうえで部門間調整を行い、ポリブテンの利益最大化に向けた航路を維持するとても重要な役割です。
同時に、輸出向けの大口需要家を担当することで、ポリブテン販売部隊のクッション機能も担っています。ポリブテンの在庫過剰時は機敏に販売数量を増やし、在庫が不足しそうになると、出荷調整という形でポリブテンの販売数量を適正に調整します。販売活動を通して世界中の需要家および競合他社に関する情報を収集し、グループ内に共有する形でポリブテンの販売戦略に生かしていきます。
※より正確には「ナフサ分解によって副生するブタン・ブチレン留分から、ブタジエン抽出を行った残余留分であるラフィネート1」。

仕事のおもしろさ、困難な点について教えてください
ポリブテンの市況は、原油価格だけではなく、需要家の状況や競合他社の動きによっても大きく変動します。日々世界中の需要家および競合他社の動向を分析するなかで世界の動きを感じとり、自身が最適と思われるオファーを提案することで、契約が成立するプロセスに魅力を感じています。
一方、誘導品の宿命でもありますが、製造装置がとても複雑であり、決して新しくもないため、大小さまざまなトラブルが日々発生します。また、ISOタンクと呼ばれる国際基準を満たした安全性の高い容器で保管・輸送するため、出荷等の制約も少なくなく、販売側の思惑だけで物事を進めるのは難しい状況です。このような中、ビジネスにトラブルはつきものと考えつつ、多くのセクションと連携を取りながら制約を乗り越えています。利益を最大化すべく、在庫調整と大口出荷の実現に日々挑戦し続けることは、難しくもあり、楽しみでもあります。

将来の目標、ビジョンを教えてください。
これまで機能性材料と基礎化学品の販売に携わってきましたが、今後はさらに多岐にわたる事業を経験したいと思っています。職種についてもとくに限定せず、広くマルチに挑戦し、さまざまなスキルを手にいれたい。以前に船の手配を行ったことがありますが、どんな経験も必ず将来の役に立つ、というのが私の考えです。そして広い経験を積んだ上で、いずれは海外事業のコーディネーターをやってみたいと考えています。日本で活用されている技術や展開されている素材を現地に合う形で幅広く海外に展開することで、ENEOSの利益だけでなく世界の人々にも貢献できれば嬉しいですね。
一日のスケジュール
9:00 | 出社 一日の予定確認。メールチェック。 |
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10:00 | 需給バランスの確認及 製品在庫および販売状況チェックして関係各所に報告。 |
11:00 | 需給調整 最新の在庫及び販売状況に応じて生産計画に関する打ち合わせ。 |
12:00 | 昼食 |
13:00 | 輸出販売向けの事務処理 出荷依頼書発行、出荷後の通関書類などの準備。 |
15:00 | 海外顧客への販売交渉 競合他社の状況確認や販売数量価格に関する交渉。 |
17:00 | 上司への報告 交渉価格や海外市況等について上司に報告。 |
18:30 | 退社 |