INTERVIEW
社員インタビュー

水素社会の実現に向け
水素サプライチェーンの
創出と進化に挑む

海外・新規事業部門(水素)
R.F.
- 水素事業推進部 国内水素サプライチェーングループ
- 理工学研究科 電気工学専攻修了
- 新卒採用2016年入社
2020年10月
大分製油所 計装電気グループ配属製油所電気設備の補修、新設工事の計画立案、管理を担当。製油所の定期修理では全停電工事の計画立案から複数の関係部署との調整、現場の施工管理等を実施した。
2020年11月~現在
水素事業推進部 国内水素サプライチェーングループ「社内公募制度」を活用し、現在の部署に異動。
学生時代の専攻と入社動機を教えてください。
学生時代は電気工学を専攻し、パワーエレクトロニクス技術に関する研究室に所属しました。研究テーマとして取り組んだのは、無機ハイドライドである水素化ホウ素ナトリウムを燃料とする燃料電池車(FCV=Fuel Cell Vehicle)の研究開発です。FCVの開発に3年間取り組む中で強く感じたのは、将来の脱炭素社会実現に向けた水素エネルギーの持つポテンシャルや必要性です。そのため就職活動でも、水素に関する技術開発や企画立案を担いたいと考え、エネルギー業界を志望しました。
私の就活当時は、水素エネルギーに関する事業や技術開発に取り組んでいる企業は多くありませんでした。その中でENEOSは、水素ステーション事業や水素キャリアの研究開発など、トップランナーとして水素事業に取り組んでおり、ENEOSであれば自分のやりたいことが実現できると思い、入社を決めました。

現在の仕事内容を教えてください。
私が所属する国内水素サプライチェーングループは、その名が示すように、国内における水素サプライチェーン創出に向けた事業立案、実行管理を担っています。その中で私が取り組んでいるプロジェクトの一つが、「CO₂フリー水素ステーション」に関するプロジェクトです。私たちは水素ステーションに水電解装置を設置し、再エネ由来の電力からCO₂フリー水素を製造・販売する取り組みを進めており、その第一号として2021年8月から横浜旭水素ステーションでCO₂フリー水素の販売を開始しました。これは商用目的としては国内初の取り組みです。
今後CO₂フリー水素ステーションの展開を進めていくうえで重要となるのが、水電解装置の効率的な運転です。そこで水電解装置の運転を再エネ発電量や水素需要に応じて最適に制御する当社独自の水素EMS(エネルギーマネジメントシステム)を開発しています。私はこの水素EMSの開発や水素ステーションへのシステム導入を担当しており、2022年4月からは横浜旭水素ステーションで実際に水素EMSの運用を開始しました。現在は、CO₂フリー水素ステーションの収益力向上を目指し、水電解装置の運転を電力需給の調整力として活用するためのシステム開発を進めています。

CO₂フリー水素の今後の展開・展望を教えてください。
再エネが主力電源化する将来を見据えて、私たちが取り組んでいるのがCO₂フリー水素の「地産地消型モデル構築」です。北海道、東北、九州は、再エネ適地と言われるエリア。ここで余剰となる再エネ電力から安価なCO₂フリー水素を製造し、周辺地域で利活用する地産地消型の水素サプライチェーンモデル構築に向け、地方自治体や地元企業とも連携して調査事業の推進や実証事業の検討・立案を進めています。
水素供給先として想定しているのは、水素ステーションのほか、コンビナート地域の工場など。工場では水素を熱源として供給することを検討しています。現状では既存燃料と比較して非常に高額ですが、水素製造・供給に係る規制緩和や支援制度の創設等、官民一体となることで水素エネルギーの拡大・普及、脱炭素社会への道が拓かれていくと思っています。

将来の目標、ビジョンを教えてください。
当社は水素の大量消費社会の到来を見据えてCO2フリー水素サプライチェーンの構築に取り組んでいます。そのなかで水素をいかに安く製造し安定的に供給するかが、水素エネルギーの拡大・普及を進める上で大きな鍵を握っています。
そのためにもまずは現在取り組んでいる水素EMSの開発を進めることで、CO₂フリー水素ステーションだけでなく、地産地消プロジェクトで検討している大規模な水電解型水素製造プラントにもシステムを適用し、CO₂フリー水素のコスト低減を目指したいと考えています。
水素エネルギーの活用はまだ始まったばかりです。しかし、水素エネルギーに対する国の政策や社会の注目度、水素関連技術の開発動向は大きく変わってきました。社会の方向性は確実に脱炭素・循環型社会に向いており、追い風が吹いていると感じています。当社の水素事業の取り組みも加速しています。水素社会の実現に向けてリードしていくのがENEOSの使命。現在取り組んでいる地産地消プロジェクトを事業化し、水素社会の実現に貢献し続けていきたいと思っています。
一日のスケジュール
9:00 | 出社 メールチェック、当日のスケジュールの確認、TODO整理など。 |
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10:00 | システム開発に関する打ち合わせ 社内の中央技術研究所やシステム開発ベンダーと水素EMSのバージョンアップ検討。 |
12:00 | 本社ビルの食堂でチームメンバーとランチ 時には気分転換で近くの店に足を延ばすことも。 |
13:00 | 「地産地消プロジェクト」の定例会議 社内外の関係者と定例ミーティング。 |
15:00 | 「地産地消プロジェクト」の検討 プロジェクトの進捗について上司・先輩に報告、今後の方針について相談。 |
16:30 | 打ち合わせ資料の作成 翌日以降の説明用資料の作成。 |
18:00 | 退社 生まれたばかりの娘と触れ合うことが明日の活力。 |