INTERVIEW

社員インタビュー

プロセスエンジニアの経験を活かし、
省エネ、生産性向上、効率化等、
製油所各設備の最適化に取り組む。

プロセスエンジニア

T.S.

  • 水島製油所 製油技術グループ 企画チーム
  • 経験者採用 2020年入社
2020年10月~
現在

水島製油所 製油技術グループ省エネ、生産性向上、効率化等、さまざまな面から製油所各設備の最適化に取り組む。

前職の仕事内容と転職を考えた理由を教えてください。

前職の化学メーカーでは、苛性ソーダをはじめとする化学品の素材製造におけるコストダウンや、蒸留、熱交換器、反応器等のプロセス設計をはじめ、設備不具合原因調査と工程改善検討、新規製品のプロセス検討など、プロセスエンジニアとして10年間勤務しました。転職を考えたのは、30代半ばに差し掛かった時期で、今後のライフプランを考えたとき、同じ仕事を続けていくのか、あるいはキャリアチェンジし新たな仕事に挑戦すべきか、大いに悩みました。そこで思ったのが、それまで培ってきたプロセスエンジニアリングの専門性をさらに高め、技術者として成長したいということ。そのためには、同じことを継続するのでなく、新たな環境が相応しいと考え転職を決意しました。

ENEOSへの入社を決めた理由を教えてください。

ENEOSの名前はエージェントから示された数社の中にありました。着目したのは「PRO/Ⅱシミュレーター」を採用していることです。これは、汎用性の高いプロセスシミュレーターで、単純な装置からプロセス全体まで、さまざまなプロセスをモデル化できます。このシミュレーターを使いこなすことで、プロセスエンジニアとしてスキルアップを図りたいと思いました。またエネルギーというインフラとして社会に必要不可欠な事業を展開しており、社会的使命を担っていることにも惹かれて入社を決めました。

現在の仕事に前職までのキャリアはどのように活きているかを教えてください。

プラントにおける蒸留や分離、精製等の物理的操作である「単位操作」の基本原理は前職と同じであり、製油所プラントにおいても前職の知見がそのまま活きていることを実感しています。一方で、転職して実感するのは、新しい知識を吸収できていること。当たり前と言えば当たり前ですが、技術者としてはそれが刺激的であり、技術者として成長している手応えがあります。また規模の大きな会社というのは、トップダウンの傾向が強いと思っていましたが、水島製油所はそれと異なり、ボトムが頑張る風土が根付いていると感じます。そこには、いろいろな会社が統合・合併してENEOSが生まれた背景があるからだと思います。

現在取り組んでいる仕事内容を教えてください。

入社以来、さまざまなテーマに取り組んできましたが、その一つに「コーカー装置の汚れ抑制」の検討があります。原油から各油種を分離して残った重質油を分解し、石油コークスを製造する装置がコーカー。水島製油所では石油コークスで発電した電力を事業用として販売しており、コーカーは競争力向上の一翼を担っています。
私が取り組んだのは、このコーカー内の加熱炉内チューブの汚れを抑制すること。汚れ除去のために装置を停止することは損失に直結します。汚れ抑制は設備の生産性および信頼性向上のための重要なカギを握る要素であり、その検討を進めました。近々新たな汚れ抑制の仕組みを導入する予定であり、その成果を楽しみにしています。

省エネに関する取り組みにも携わっていると聞きました。

熱エネルギーを利用して分離・精製を行う「蒸留」は莫大なエネルギーを消費しています。省エネ実現のためには、この熱エネルギー消費を抑制する必要があり、運転条件の見直しを進めています。ただし、熱エネルギーを抑制すると、分離・精製されるガソリンや軽油等の各留分の純度が下がる等デメリットも生じますので、運転の最適化が必要です。直近では、脱硫装置の省エネにも取り組みました。脱硫装置内の熱交換器チューブを改造し、熱交換量の向上、高効率化を実現。確かな手応えを感じた取り組みです。
こうした省エネや効率化の取り組みは、全国各製油所で展開されており、私は水島製油所の「エネルギーネットワーク」担当として、各製油所と情報共有・交換し、省エネ活動を推進しています。水島製油所は、国内最大の原油処理能力を誇ります。したがって装置・設備の規模も投下される金額も大きく、「エネルギーネットワーク」担当としての責任の大きさにやりがいを感じています。

入社して感じたENEOSの社風や強み、今後の目標を教えてください。

多様な考えを受け入れる素地があり、それが風通しの良さ、働きやすさも生んでいると感じます。メンバーみんなが、製油所を「もっと良くしたい」という考えを持っており、前職では感じなかった一つの共同体のような印象がありますね。
製油所のプロセスエンジニアリングは、他業界の経験者であっても違和感のない領域です。しかし時代は大きく変わってきています。世界的にカーボンニュートラルが叫ばれる中、製油所も転換期を迎えています。時代の変化に応じた既設の改造や新規設備の検討など、新たな大きなイベントとともにプロセスエンジニアリングも進化していく必要があると思っています。それら変化・進化を楽しみにしつつ、今自分がやるべきことにひたむきに取り組んでいきたいと考えています。