SECTION 01もはや当たり前の
育児支援制度
- 野澤
- 仕事とプライベートの両立を図る制度と聞いてまず思いつくのが産休・育休制度です。大岩さんは3児のお母さんですから、当然利用者されていますよね。
- 大岩
- はい。入社5年目に第1子出産のために産前産後休暇と1年間の育児休業を利用しました。その後も7年目、11年目と合計3度利用しています。産休・育休を取ることはもはや当たり前の光景になりましたね。
- 野澤
- 以前はそうでもなかったそうですね。かつては結婚退社、出産退社が暗黙の了解とされていた業界もあったと聞いたことがあります。
- 大岩
- 私が新入社員の頃は、制度はあっても気軽に活用できない社会風潮でした。結婚を機に退社を余儀なくされた人が少なくない時代でしたから、私が第1子を出産したときも、もしかすると批判的な目で見ていた人がいたかもしれません。その意味では、やはりこの10年ほどで大きく意識が変わったと感じます。今では男性で育児休業を取得する人も増えてきました。本田さんもそのひとりですよね?
- 本田
- 第2子が誕生したとき、初めて2週間の育休を取得しました。第1子のときは、まだ男性の育休という習慣がなかったので、育休なんて考えもしませんでしたが、2016年に第2子が生まれたときは、職場の人たちが「育休取りなよ」と、むしろ後押しされて取得したような感じでしたね。周囲が快くバックアップしてくれたこともあり、育休前の引継ぎや育休後の復帰もスムーズに行えました。実際に利用してみると、実に気軽に取得できると感じています。
- 野澤
- 育児休業中はどうやって過ごされていたのですか。
- 本田
- 生まれたばかりの子はもちろん、上の子も精神的に戸惑いを感じる時期なので、その世話に奔走していましたね。第3子のときは里帰り出産だったので、幼稚園に通う長女としばらく二人暮らしを経験しました。育休に加えて、時短勤務(短時間勤務)も利用し、16時に終業して17時にお迎えに行くという生活でした。
- 大岩
- 時短は助かりますね。私も子どもが保育所に通い始めた当初は、時短を利用して早くお迎えに行きました。子どもが保育所に慣れるまでというより、自分自身「早く迎えに行ってあげたい」という気持ちが強かったので、この制度にはとても助けられました。まあ、3子目となると保育所への信頼も生まれていたこともあり、普通にフルタイム勤務でしたけど。
- 野澤
- お子さんが小さい間は、急な発熱などで休まなくてはいけないこともあるでしょうし、すぐお迎えに行かなくてはいけないときもあります。
- 大岩
- 幸いなことに途中からは看護休暇制度ができたので、うまく活用させてもらいました。復職直後は付与される年次休暇も少なく、休暇の残数を心配する日々でしたので、子どもがひとりの場合は年5日、二人以上の場合は年10日まで利用できる看護休暇は本当にありがたかったですね。