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第35回日本道路会議で廃プラスチック舗装に関する2件の研究発表

-プラスチック廃材を骨材とする舗装のためのアスファルトバインダーの開発-

-架橋ポリエチレン廃材を骨材としたCO2低減に寄与するアスファルト舗装-

当社研究員が、2023年11月2日、都市センターホテル(東京都千代田区)で開催された、第35回日本道路会議にて2件の研究発表を行いました。日本道路会議は、道路に関わる全国の関係者が一堂に会し、研究成果の発表、意見交換するわが国最大の会議です。

俗にアスファルトと呼ばれることの多い道路の舗装ですが、材料の大部分は石や砂などで構成されています(図1)。当社は、この石や砂などを全量廃プラスチックに置き換え、格段に多くの有効利用を可能とする新しい舗装の開発を進めています。プラスチックの表面は平滑であるため舗装体の変形が生じやすく、耐流動性と呼ばれる性能を強化する必要があります。そこで、それに適した特性を持つ廃プラスチックを活用して新規のアスファルトバインダーを開発しました(図2)。また骨材には、耐熱性の高さのため再利用の難しい送電用絶縁材(架橋ポリエチレン)の破砕廃材を利用するモデルケースを考案し、実用化を目指した検討を進めています。現在、実用条件下での長期耐久性などを確認する実証試験を行っています(図3)。

本会議では、新規バインダーの開発と送電用絶縁材を骨材とする廃プラ舗装の実用化への取り組みおよび環境性能について発表しました。骨材を全て廃プラスチックとする画期的な取り組みだけでなく、それによってもたらされる実効性のあるプラスチックのリサイクルとCO2削減効果の高さ(図4)が注目され、休憩時間に至るまで様々な関係者から多数の問い合わせや意見が寄せられました。
当社は、本技術を通じて、脱炭素・循環型社会の実現に向けて貢献していきます。

図1 舗装の材料構成
図1 舗装の材料構成
図2 各種舗装体の性能
図2 各種舗装体の性能
図3 廃プラアスファルト試験舗装
図3 廃プラアスファルト試験舗装
図4 CO2排出量削減効果
図4 CO2排出量削減効果

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