ニュースリリース

2022年度

2022年4月 1日

社長就任挨拶について

各 位

 本日、ENEOSホールディングス本社およびENEOS本社(東京都千代田区)にて行われました、当社社長 齊藤 猛の社員に向けた「就任挨拶(要旨)」を下記の通り、お知らせいたします。



 第2次中期経営計画の最終年度であり第3次中期経営計画策定の重要なタイミングで、グループ全体の舵取りを担うことになり、その重責に身が引き締まる思いである。本日、新たな体制でスタートするにあたり、私の考えを申し上げる。


1.当社を取り巻く環境

 脱炭素への対応に関する社会の要請は高まる一方であり、またDXの進展によって、ビジネスのスピードやビジネス創出の動きが、世界的により加速していく見通しである。これは当社グループの2040年長期ビジョンの前提で想定していた以上の速さであり、さらにはコロナ感染拡大という未曽有の事態において、私たちの取組みは待ったなしの状況にあると、私は認識している。

2.私の使命

 このような事業環境をふまえ、私の使命は大きく3つあると考えている。

(1)第一の使命:第2次中計の達成と長期ビジョンの実現を見据えた第3次中計の策定

 第2次中計の最終年度となる2022年度は、「基盤事業の競争力強化」と「成長事業の育成・強化」をさらに推進し、その成果を第3次中計につなげていく必要がある。そのためには、企業の力の源である皆さん一人ひとりの力、すなわち「現場力」をより高めることが重要と考えている。

 私が考える「現場力」とは、社員一人ひとりが、市場・お客さまのニーズを的確にとらえ、自分の持ち場・立場で自ら考え行動し、お客様さまの満足度を上げながら価値を生み出していく力である。

 現場力を発揮するためには、皆さんが、固定観念にとらわれず、まっさらな・素直な気持ちで、ENEOSグループのお客さまが何を求めているかを常にお客さま目線で考えること、そして我々が提供する製品・サービスとの交点を探し続けることが必要不可欠である。これは、成長事業と基盤事業、国内と海外、さらには事業部門と管理部門、全てに共通することであり、皆さん一人ひとりの現場力を集結することがENEOSグループの稼ぐ力に繋がると私は強く思っている。

 この1年を振り返ると、成長事業については、主要な事業会社各社において、新規事業の展開・強化に向けて着実に布石を打っている。例えば、ENEOSの再エネ、水素、合成燃料などの次世代エネルギー、EV充電・カーリースなどのモビリティ関連事業、電気事業、石油開発でのCCS/CCUSといった環境対応型事業、金属事業における機能材料・薄膜材料をはじめとする最先端素材・資源リサイクル事業はその一例である。第3次中計では、これらの取組みをさらに進化させるための具体策と行動計画を策定していく。社員の皆さんには、最大限の現場力を発揮して頂き、これら取組みを実現し、成功に導いていってほしい。

 続いて基盤事業については、当社グループの収益の源泉であり、成長事業を育てる原資を稼ぎ出す重要な役割を担っている。変化の激しい事業環境の中で当社グループが勝ち残るためには、これまで行ってきた生産・供給体制の合理化、資産売却や事業の見直しに留まらず、目線を変えて、業務プロセスの見直しやデジタル技術の活用を通じた抜本的な変革をENEOSグループ全体で推し進めていく必要がある。これを実行・実現するのも、やはり「現場の力」だと私は考える。

(2)第二の使命:中長期の事業ポートフォリオの設計とその実現
 長期ビジョンにおいて、当社グループは、2040年のありたい姿として、「アジアを代表するエネルギー・素材企業」「事業構造の変革による価値創造」「脱炭素・循環型社会への貢献」を掲げ、グループの持続的な企業価値の向上に取り組んでいる。この実現をより確実なものとするために、足元の2次中計の仕上げ・3次中計の策定と並行して、戦略的かつ具体的な中長期の事業ポートフォリオを設計していく。

 昨年から、当社グループの持つ技術やノウハウ、顧客基盤、ブランド力などの強みを活かしながら、将来にわたって社会に価値を提供し続けるための戦略オプションについて議論を進めてきた。今後、これらの戦略オプションと既存事業を組み合わせ、5年後、あるいは10年後にどのような事業ポートフォリオを構築するかを集中的に検討するとともに、その実現に向けた施策をスピードを上げて実行していく。

(3)第三の使命:変革と挑戦の企業風土の醸成

 当社グループが勝ち残り、将来にわたり社会やお客さまに価値を提供し続けるためには、会社自体が進化し続ける必要がある。そのためには何よりも、会社を支える社員一人ひとりが、自律的に変わり続けるという意識を持たなければならない。

 社内での部門を超えた連携や社外との協働はますます重要となる。ぜひ前例踏襲や縦割りの仕事の仕方・考え方から抜け出し、社内外で幅広く良好な人間関係をつくり、新しい情報・新たな発想に触れてほしい。虚心坦懐、まっさらな素直な心で、世の中の動きにアンテナを高く張り、お客さまのニーズに向き合い、よいものを積極的に取り入れて、自分自身そして会社に変革を起こしてほしい。

 企業が価値を生み出す最大の源泉は人である。ENEOSグループが大きく変わっていくために、社員一人ひとりが変革と挑戦の気概をもって行動を起こし切磋琢磨するという企業風土を根付かせていきたい。私も、皆さんが生き生きと働き、自分の能力を発揮しやすい制度・環境を整え、皆さんと一緒に魅力的な会社を作ることを約束する。

 一方で、このような変革を推進する中でも、エネルギー・素材の安定供給により、経済や人々の生活を支え続けるという私たちの使命、いわば、当社グループ社員に脈々と受け継がれるDNAは不変である。変革・挑戦の前提に、この私たちの使命があることは常に念頭に置いておいてほしい。

3.最後に

 脱炭素・循環型社会への貢献とエネルギー・素材の安定供給を両立させることは、当社グループにとって、大きな挑戦であるとともに歴史的なビジネスチャンスでもある。私は、社長として、第二の創業を任された覚悟で、虚心坦懐、この挑戦の先頭に立って自らの役目を務めていく所存である。当社グループの永続的な発展に向け、一丸となって取り組んでいこう。

以 上