1. 種類
分留範囲が30~230℃の直留軽質留分を総称してナフサと呼び、分留範囲の違いにより軽質ナフサ(LSR)、重質ナフサ(HSR)、ホールレンジナフサ(WSR)の名称がある。
表 2-1-2-1に、ナフサの分留範囲によるタイプ別の性状について一例を示す。ナフサは密度が小さく、揮発性に富み、硫黄分が少ない。また、重油などに比べ重量当たりの発熱量が大きく、容量当たりの発熱量は小さい。
- 表 2-1-2-1 ナフサのタイプ別性状
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性状 種類 軽質ナフサ 重質ナフサ ホールレンジ
ナフサ密度 (15℃)g/cm3 0.65~0.70 0.70~0.76 0.65~0.76 分留範囲 ℃ 30~140 40~230 30~230 硫黄分 質量% 0.001~0.05 0.001~0.05 0.001~0.05 総発熱量 MJ/kg 50.25 - - 〃 MJ/L 33.31 - -
2. 用途
ナフサの用途のうち、最も需要の多いのは石油化学原料(ペトケミナフサ)であり、各種留分が使用され、エチレン、プロピレン、BTX(ベンゼン・トルエン・キシレン)等が製造される。都市ガス原料(ガスナフサ)として、主に軽質分が分解原料として使用される。また、電力会社等のボイラー燃料(燃料用ナフサ)にも各種留分が使用され、低硫黄分燃料として使用される。燃料用ナフサについては、税法上の理由から変成(ナフサに原油あるいは重油を少量混入して着色する)しているため、変成ナフサとも呼ばれる。
なお、ナフサを以上の用途に使用する場合は、揮発油税の免税措置がとられている。