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このページは、目次の中の第2編の中の第1章の中の第4節 灯油のページです。

  1. 種類・用途と規格
  2. 性状

1. 種類・用途と規格

灯油は、炭素数11~13を中心とする炭化水素成分で構成される。

灯油のJIS規格を表 2-1-4-1 に、品質確保法による強制規格を表 2-1-4-2 に示す。灯火、厨房(ちゅうぼう)用などの家庭用灯油を1号とし、石油発動機(動力用)、溶剤、機械洗浄用を2号として規定している。しかし、2号灯油は現在ほとんど生産されていない。

表 2-1-4-1 灯油のJIS規格(JIS K 2203-2023から抜粋)
項目 種類
1号 2号
引火点℃ 40以上
蒸留性状95%留出温度℃ 270以下 300以下
硫黄分質量% 0.0080以下※1 0.50以下
煙点mm 21以上
銅板腐食(50℃、3h) 1以下
色(セーボルト) +25以上
注記:
※1.燃料電池用の硫黄分は、0.0010質量分率%以下とする。
表 2-1-4-2 品質確保法による灯油の強制規格
項目 規格値 観点
硫黄分 0.008質量%以下 環境
引火点 40℃以上 安全
セーボルト色+25以上 安全

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2. 性状

石油ストーブのように灯芯(とうしん)を使う燃焼器具用灯油は、燃焼性がよく、煤や煙が出ず、灯芯にカーボンの付着が少ないことおよび硫黄分が少ないこと、また臭いのないこと等が必要である。

燃焼性は、煙点により評価される。煙点は煤が出ない灯芯の長さを示し、煙点の値は大きいことが望ましい。パラフィン系炭化水素が多いほど大きく、芳香族系炭化水素が多いと小さく、また重質留分が多いほど小さい。

灯油の分留範囲は145~270℃ほどで、引火点は40℃以上である。このため引火の危険が少なく、取扱いは容易である。

高度に精製された灯油の硫黄分はきわめて少なく、灯油自身の臭いは炭化水素そのものの臭いに近くなる。点火および消火時には、一時的に不完全燃焼による生成物の臭いがする。冬が最需要期で、夏は備蓄期となるため、備蓄期間中の貯蔵安定性の良いことが必要である。



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