2025年度東京大学プラクティススクール最終報告会を開催


9月25日、当社中央技術研究所にて2025年度東京大学プラクティススクール最終報告会を開催しました。プラクティススクールとは、企業が東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻の教員および学生を受け入れ、企業の課題に対して取り組むプログラムであり、今年で18年目となります。
今年度は、6月に発足したAIイノベーション部参画のもと、4名の修士学生、2名の指導教員を受け入れ8月8日より6週間にわたって実施しました。学生らは2チームに分かれ、コンピューターシミュレーションやAI等のデジタル技術を用いて課題に取り組み、当社社員と活発に議論を交わしたり、教員のアドバイスを受けながら、検討・考察を重ねました。期間中、若手社員との交流会を実施したほか、研究所の施設や製油所を見学し各テーマの理解につなげました。
数理最適化LLMエージェントの開発テーマでは、実際のサプライチェーンを題材にした大規模数理最適化問題(簡易版)を対象として、LLM(大規模言語モデル)と数理最適化ソルバー ※1 を組み合わせた新規手法の技術検証を行いました。LLMや数理最適化といった技術要素に加え、サプライチェーンに関するドメイン知識も要する難しい課題でしたが 、学生は検討を通じて知識を習得し、当該手法の有望性を示す成果につながりました。
文献検索LLMとMatlantis ※2 を用いたDAC(直接空気回収技術)用吸着材の開発テーマでは、LLMによって関連文献から有用なデータを自動抽出し、機械学習と分子シミュレーションの入力データとして活用することで、効率的な材料探索フローの構築を実現しました。今回の取り組みを通じて汎用的な材料探索プロセスの一連の流れを実証し、今後のAIエージェントによるフロー自律化・効率化に向けた基盤が確立されました。
これらの取り組みは世の中を見ても類い稀であり、先進的な新規手法の構築と今後の方向性を示す提案という素晴らしい成果の創出に至りました。当社では、本取り組みの成果も適用しながら、AI技術の開発ならびにデジタル技術の活用に力を入れてまいります。

  1. ※1数理最適化ソルバー:与えられた制約条件のもとで目的関数を最適化するための数理モデルを効率的に解く計算ツール
  2. ※2Matlantis:大幅な計算時間短縮が可能となる原子レベルの高速AIシミュレータ
発表の様子:左から吉川さん、忠鉢さん
発表の様子:左から吉川さん、忠鉢さん
発表の様子:左から坂口さん、田口さん
発表の様子:左から坂口さん、田口さん
最終報告会終了後の集合写真:前列、参加学生のみなさん。後列中央、担当教員の先生方。後列両端、AIイノベーション部の参加メンバー
最終報告会終了後の集合写真:前列、参加学生のみなさん。後列中央、担当教員の先生方。後列両端、AIイノベーション部の参加メンバー

東京大学プラクティススクール紹介ページ: https://www.chemsys.t.u-tokyo.ac.jp/career/practice_school/