汎用原子レベルシミュレータ Matlantis™を用いた研究成果を「トライボロジー会議2025 秋 函館」で発表
2025年10月に開催された「トライボロジー会議2025 秋 函館」において、当社社員がMatlantis™を用いた潤滑油・グリースの研究成果を4件報告しました。
発表1では、データ同化技術 ※1 を用いることで、粉末XRDの測定結果を反映した増ちょう剤結晶構造の推定に成功しました。発表2では、推定した結晶構造に対して LightPFP ※2 による大規模シミュレーション解析を実施することで、分子構造によってグリース性能に違いが生じる要因を明らかにしました(図1)。これら2つの成果により、せん断安定性に優れた増ちょう剤分子設計指針を得ることができました。他にも、発表3では、アルミニウム加工油に使用されるオレフィンがアルミニウム新生面上で重合するメカニズムを明らかにしました(図2)。また、発表4では吸着エネルギーを記述子として、摩擦低減効果に優れた分子のスクリーニング手法を提案しました。
多くのトライボロジー研究者がこれら先進的なシミュレーションやマテリアルズ・インフォマティクス(MI)に関する研究を聴講し、大きな関心を集めました。これからも、当社は Matlantis™をはじめとするシミュレーション・MI技術の活用を推進し、潤滑油・グリースを含む革新的な材料開発に貢献していきます。
発表タイトル
- 1汎用原子レベルシミュレータと粉末XRD実測データの連成によるウレア系グリース増ちょう剤の分子結晶構造推定
- 2ウレア系グリース増ちょう剤の応力ひずみ解析 ~軽量機械学習ポテンシャルを用いた分子動力学シミュレーション~
- 3アルミニウム加工に対するオレフィン類の作用メカニズム
- 4樹脂の摩擦特性を向上させる潤滑油添加剤の構造:シミュレーションによる吸着特性の解析
- ※1データ同化技術:実験から得られた粉末XRDパターンと整合する結晶構造をシミュレーションによって推定する技術。
- ※2LightPFP:Matlantisの計算結果を効率的に収集し、軽量の機械学習ポテンシャルへ蒸留することで大規模シミュレーションを可能とする技術。

