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このページは、目次の中の第2編の中の第2章の中の第1節 総説のページです。

  1. 潤滑油の概念
  2. 潤滑油用基油
  3. 潤滑油用添加剤

1. 潤滑油の概念

潤滑油はエンジン油に代表されるように、滑り合う二つの固体間の摩擦・摩耗を減少させるために用いられる油系液体潤滑剤の総称と定義されており、ほとんど全ての機械に使用されている。一般に潤滑油は石油系、非石油系に分類されるが、石油系潤滑油がほとんどを占めている(図 2-2-1-1)。

図 2-2-1-1 潤滑油の分類

また、潤滑油は使用個所、使用条件が多岐にわたっており、その種類は機械の種類と同様非常に多い。 表 2-2-1-1に経済産業省が毎月実施している生産動態調査の潤滑油統計における油種分類を示す。

表 2-2-1-1 潤滑油指定統計における潤滑油油種分類

表 2-2-1-2に示すように2014年の経済産業省の生産動態統計資料によると、潤滑油は年間約238万kL販売されている。中でもガソリンエンジン油とディーゼルエンジン油の合計販売量は約66万kLと全体の約28%を占めている。

表 2-2-1-2 2014年の潤滑油販売統計数量
区分 販売量 kL
ガソリンエンジン用潤滑油 441,813 18.5
ディーゼルエンジン用潤滑油 220,279 9.2
その他車両用潤滑油 196,174 8.2
船舶用エンジン用潤滑油 156,897 6.6
機械油 459,709 19.3
金属加工油 115,752 4.9
電気絶縁油 58,936 2.5
その他特定用途向け潤滑油 456,619 19.2
その他の潤滑油 275,580 11.6
合計 2,381,759 100

潤滑油は、機械の血液とまでいわれるほど機械を動かすうえで重要な役割を果たしており、近年、地球環境問題がクローズアップされ、潤滑油にもより一層の省エネ効果が期待されている。また、潤滑油は一般に使用後廃油として排出され、潤滑油協会の潤滑油リサイクルハンドブック2014年改訂版によると、回収された潤滑油の約73%が廃油再生業者によって再生重油などとして再利用されている。

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2. 潤滑油用基油

潤滑油用基油としては、入手性やコストの面から石油系潤滑油基油が多く使用されている。特に摩擦・摩耗を低減する性能が要求される潤滑油にはパラフィン系基油が広く利用される。このパラフィン系基油は、近年の省燃費性や長寿命化要求によってより高性能化されてきている。米国石油協会(API:American Petroleum Institute)では、表 2-2-1-3に示すように基油を5種類に分類している。グループ1~グループ3基油が石油系潤滑油基油で、グループ1基油は世界的に最もポピュラーな潤滑油基油である。グループ2や3基油は、水素化分解プロセスを利用し、硫黄分や基油中の芳香族炭化水素成分を低くした高粘度指数基油である。グループ4はポリ-α-オレフィン(PAO)の合成油であり、グループ5はグループ1~4に属さない基油(エステル類等)となっている。なお欧州ではAPIの基油分類に加えて、合成系PIO(polyinternalolefins)をグループ6に分類しているが、米国ではまだ採用されていない。

更にAPIの基油分類以外のカテゴリーとして、電気絶縁油や冷凍機油など基油自体に低温性能が求められる潤滑油の基油としてナフテン系基油がある。

表 2-2-1-3 APIの基油の分類
分類 硫黄分、mass%   飽和分、mass% 粘度指数
グループ 1 >0.03 および/または <90 80~119
グループ 2 ≦0.03 および/または ≧90 80~119
グループ 3 ≦0.03 および/または ≧90 ≧120
グループ 4 ポリ-α-オレフィン(PAO)
グループ 5 グループ1~4に属さないもの(エステル類等)

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3. 潤滑油用添加剤

潤滑油には様々な添加剤が使用される。一般に工業用潤滑油と呼ばれるものの多くは添加剤量が5%以下であるが、エンジン油に代表されるように自動車用潤滑油では5~25%の添加剤が配合される。表 2-2-1-4に潤滑油に使用される代表的な添加剤を示す。特に使用済潤滑油を燃料として燃焼処理する場合、使用油中に含まれる添加剤成分などが大気中に放出され2次汚染を引き起こすことが懸念される。

表 2-2-1-4 潤滑油に使用される代表的な添加剤
添加剤の種類 主な化合物
摩耗防止剤 ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)
極圧剤 リン酸系添加剤、硫化オレフィン、硫化油脂、ポリサルファイド
清浄剤 金属系のスルホネート、フェネート、サリシレート
分散剤 アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステル
粘度指数向上剤 ポリメタクリレート、オレフィン共重合体
酸化防止剤 フェノール系(DBPC、DBEP)、アミン系(PAN、アルキル化ジフェニルアミン)、ZnDTP
油性剤 高級脂肪酸、アミン化合物、エステル化合物
さび止め剤・腐食防止剤 カルボン酸、スルホネート、エステル化合物、ベンゾトリアゾール
流動点降下剤 ポリメタクリレート
消泡剤 ポリメチルシロキサン、シリケート、脂肪酸エステル


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