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このページは、目次の中の第2編の中の第2章の中の第3節 舶用潤滑油のページです。

  1. 舶用ディーゼルエンジン油
  2. その他の舶用潤滑油

1. 舶用ディーゼルエンジン油

舶用ディーゼルエンジンは、低速2サイクルクロスヘッド型と4サイクルトランクピストン型に大別される。舶用燃料には、硫黄分や残査油の多い低質重油を使用するため、燃焼生成物によるエンジン各部の汚れやエンジン油の劣化が起こりやすく、舶用ディーゼルエンジン油に要求される性能も一段と厳しくなっている。最近では環境対策として舶用エンジンにも排出ガス規制を強化する動きにあり、特定の湾内、海域などで低硫黄燃料の使用義務化がなされており、2020年からは全海域での低硫黄化が予定されている。

舶用ディーゼルエンジンの潤滑方式は、クランクケースに張り込んだ潤滑油で行うウエットサンプ方式と、独立したタンクによって強制給油するドライサンプ方式に大別される。前者は主に中・小型エンジンに、後者は大型エンジンに採用されている。

舶用ディーゼルエンジン油に要求される性能は、トランクピストン型では酸化安定性はもちろん、優れた清浄分散性、フィルター目詰まり防止性、酸中和性と塩基価持続性、水分離性の良いことが必要である。クロスヘッド型に使用されるシリンダ油には、耐摩耗性、耐荷重性および酸中和性が優れ、油が平均してゆきわたる油膜広がり性などが要求される。

システム油は、クロスヘッド型では、ピストンクラウンの熱変形や焼損につながるピストンクラウン裏側に付着するデポジット生成量の少ないことが要求される。舶用ディーゼルエンジン油の品質については、JIS K 2215:1993で分類されており、その適油選定例を表 2-2-3-1に示す。

表 2-2-3-1 舶用ディーゼルエンジン用潤滑油の適油選定例
機関型式 潤滑方式 対象機関 潤滑箇所 使用燃料 適油 JIS K 2215-1993
(内燃機関用潤滑油分類)
タイプ サイクル
クロス
ヘッド型
2サイクル ドライ
サンプ
方式
大型貨物船、専用船などの主機関 シリンダ C重油 舶用4種4号~5号
システム 舶用2種3号、3種3号
トランク
ピストン型
中型貨物船、専用船、連絡船など大型漁船の主機関 シリンダ C重油 舶用4種4号~5号
A重油 舶用3種4号~5号
4サイクル システム 舶用2種4号~5号
舶用3種4号~5号
ウエット
サンプ
方式
一般漁船、小型貨物船などの主機関および一般船舶の補機関 シリンダ
および
ベアリング
C重油 舶用4種3号~4号
A重油 舶用3種3号~4号

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2. その他の舶用潤滑油

舶用潤滑油は、まず主機関のエンジン油が最も重要なものであるが、発電機や圧縮機、冷凍機、清浄機などの補機類および船の運航、係船、荷役に必要な甲板部用機械にも各種潤滑油が使用される。表 2-2-3-2 に、船舶用補機に用いる潤滑油の一例を示す。

表 2-2-3-2 船舶補機用潤滑油の一例
対象機器類 油種 適正な粘度(グレード)
主機関シリンダ シリンダ油 SAE50
主機関システム、発電機、過給機、調速機、船尾管装置 ディーゼルエンジン油 SAE30、40
甲板機械、操舵機、可変ピッチプロペラ、サイドスラスター 油圧作動油 VG5~100
空気圧縮機 コンプレッサー油 VG100
冷凍機 冷凍機油 VG32、68
甲板機、遠心分離器等のギヤー部、減速機 ギヤー油 VG100~460
各種機器、操舵機の軸受 グリース NLGI2号
甲板機械等のオープンギヤー、ワイヤーロープ ギヤーコンパウンド  


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