本牧インサイト

Advanced Functional Materialsに発光電気化学セルに関する論文が掲載(2020年8月)

発光電気化学セル(LEC)は有機系発光デバイスの一つです。同じ有機系発光デバイスの有機ELと比べるとシンプルな構造で、低コストで製造できる可能性があり、次世代の照明デバイス、表示デバイスなどへの応用が期待されています。
当社は早稲田大学・錦谷教授との共同研究により、照明として利用する際に重要となる白色発光技術を確立してきました。また、当社で開発した「明るさ倍増フィルム」をLECに適用することにより発光効率を向上することにも成功しています。高効率の照明デバイスが低コストで製造できれば低炭素社会の実現に貢献することができます。
このたび、これらの成果をまとめたProgress Reportが8月12日発行の国際学会誌 Advanced Functional Materials (WILEY-VCH)に掲載されました。

“Exciplex Emission in Light-Emitting Electrochemical Cells and Light Outcoupling Methods for More Efficient LEC Devices” (2020年第30巻33号P.1907309)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/adfm.201907309

【白色発光技術】白色発光を実現するためには青色発光と赤色発光をバランスよく得ることが必要です。青色蛍光ポリマー(PFD、A)の青色発光と、PFDとアミン化合物(D)が形成するエキサイプレックス(A-D)の赤色発光を混合することで白色発光を得ることができます。※1

図1 青色蛍光ポリマー(A)の青色発光とエキサイプレックス(A-D)の赤色発光の混合による白色発光の概念図

【発光効率向上技術】通常のガラス基板(フラット基板)を使ったLECでは、発光層で生成した光の約半分が閉じこめられ利用できません(図2上右)。明るさ倍増フィルムのミクロな波状構造が閉じ込められた光の向きを変えることで、LECから光を取り出す効率が向上します(図2上左)。※2

図2 (上)明るさ倍増フィルムによる効率向上効果 (下)明るさ倍増フィルムの波状構造、LEC発光状態の比較

関連論文

  1. ※1“White Polymer Light-Emitting Electrochemical Cells Using Emission from Exciplexes with Long Intermolecular Distances Formed between Polyfluorene and π-Conjugated Amine Molecules”
    Nishikitani, Y., Takeuchi, H., Nishide, H., Uchida, S., Yazaki, S., Nishimura, S., Journal of Applied Physics 118, 225501 (2015).
    https://doi.org/10.1063/1.4937162
  2. ※2“Low-Cost, Organic Light-Emitting Electrochemical Cells with Mass-Producible Nanoimprinted Substrates Made Using Roll-to-Roll Methods”.
    Sato, K., Uchida. S., Toriyama, S., Nishimura, S., Oyaizu, K., Nishide, H., Nishikitani, Y., Advanced Materials Technologies 2, 1600293 (2017).
    https://doi.org/10.1002/admt.201600293