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本部門は、(1)農林水産業・鉱業・建設業、(2)製造業、(3)業務他(第3次産業)に細分化される(各細分化部門における石油製品の用途については本章第2節の表 1-3-2-1参照)。
企業・事業所他部門における最終消費エネルギーの供給源別構成比を表 1-3-5-1に示す。
- 表 1-3-5-1 企業・事業所他部門の最終エネルギー消費の供給源構成比(2022年度)
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(単位:%)
農林水産鉱建設業 製造業 業務他(第3次産業) 合計 石油製品 86.7 33.0 21.4 32.4 石炭製品(石炭含) 0.0 22.4 0.3 15.5 電力 11.2 22.3 57.9 31.2 都市ガス 0.6 5.2 17.8 8.3 天然ガス 1.3 1.0 0.0 0.8 再生可能・未活用エネルギー 0.0 0.6 0.2 0.5 熱(産業用蒸気他) 0.1 15.5 2.4 11.3 合計 100.0 100.0 100.0 100.0 エネルギー消費量(PJ※) 343 5,007 1,913 7,264 ※PJ:ペタジュール(1015ジュール)。0.0258を乗じると原油換算百万kLとなる。
出所:総合エネルギー統計「エネルギーバランス表」より作成
1. 農林水産業・鉱業・建設業の石油製品需要
この部門における石油製品の消費量を表 1-3-5-2に示す。
- 表 1-3-5-2 農林水産鉱建設業の石油製品消費量(2022年度)
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(単位:千kL、千トン)
農林水産業 鉱業 建設業 ガソリン 707.2 0.0 0.0 灯油 466.6 4.4 168.8 軽油 963.8 190.5 1,675.8 A重油 3,781.0 15.1 37.5 C重油 0.0 0.0 0.0 燃料油計 5,918.6 210.0 1,882.0 LPガス 1.3 0.2 12.2 アスファルト 0.0 0.0 1,062.0
この部門でエネルギーとして使用される石油製品は灯油、軽油、およびA重油の中間留分がほとんどである。灯油は加熱・乾燥用、軽油は農機、漁船、掘削機、建設機械等の動力用、A重油は加熱用や漁船燃料として使用される。
また、建設業におけるアスファルトには、主に道路舗装用に使われるストレートアスファルトと、これに空気を吹き込んで製造されるブローンアスファルトがある。ブローンアスファルトは、主に防水、防湿工事の屋根ふきや、屋根ふきの下地塗り等に用いられ、建築物の防水材料として不可欠なものとなっている。いずれも非エネルギー使用に相当する。
2. 製造業における石油製品需要
表 1-3-5-1に示した最終エネルギー消費の他に、石油製品は、エネルギー統計では「エネルギー転換部門」に分類される発電用や産業用蒸気の製造に使用される。また、石油化学工業の原料としてナフサが使用される。これらを含めた製造業における石油製品の需要を表1-3-5-3に示す。
- 表 1-3-5-3 製造業の石油製品消費量(2022年度)
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(単位:千kL )
最終消費 エネルギー転換 合計 石油化学原料用 エネルギー用 発電用 自家用蒸気製造 事業用 自家用 ナフサ 27,222 0 1 2 1 27,320 灯油 669 767 74 73 202 1,784 軽油 113 819 88 13 1 1,033 A重油 0 1,548 226 283 1,348 3,405 C重油 541 850 4,454 999 1,401 8,246 燃料油計 28,545 4,077 4,843 1,369 2,953 41,787 原油 0 0 190 0 0 190
3. 業務他(第3次産業)における石油製品需要
業務他(第3次産業)部門で消費されるエネルギーの構成を表 1-3-5-4に示す。
- 表 1-3-5-4 業務他(第3次産業)部門におけるエネルギー消費比率(2022年度、同一熱量換算ベース)
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(単位:%)
灯油 5.5 電気 60.2 軽油 6.5 都市ガス 18.5 A重油 6.3 地域熱供給等 0.0 LPガス 2.9
この部門のエネルギー消費は、店舗、オフィス、ホテル、公共施設(学校、病院など)等における照明、エレベーター、オフィス機器、冷暖房、給湯、調理などにおけるものである。石油製品はビル暖房など熱源としての需要が多い業種で比較的多く使用されている。
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