水素事業

水素とは

エネルギーとしての水素の意義

水素は石油等の化石燃料はもとより、太陽光、風力等の自然エネルギーからも製造できるため、資源に乏しい我が国にとって、エネルギーセキュリティー向上につながる可能性があります。
また、水素は燃料として使用する際に二酸化炭素や大気汚染物質が排出されないため、温室効果ガス・エネルギー消費量の削減といった観点からも、将来の普及が期待されています。

水素は、多様な一次エネルギー、製造方法でつくることができる

水素の特性

水素は地球上で最も軽い、無色無臭の気体です。宇宙にもっとも多く存在する基本元素で、地球上では水や炭化水素等の化合物の状態で存在します。

ガソリン1L(約750g)と同じエネルギーを得るために必要な水素は1m3(約90g)です。水素は気体のためガソリンに比べて体積が大きくなりますが、圧縮することで体積を小さくして貯蔵、輸送することが可能です。

水素の取り扱い

水素に対して、“引火しやすい”“爆発するのでは”といったイメージを持つ方もいるようです。しかし、水素は、一般に使われているガソリンや天然ガスなどと同様に、誤った使い方をすれば危険ですが、正しく使えば安全なエネルギーです。
水素を安全に使う上でまず重要なのは、漏らさないことです。水素は分子が非常に小さく少しの隙間でも通過するので、貯蔵容器には高度な密閉性が求められます。また、金属の中に入り込んで強度を弱める性質があるため、耐性のある材料を使う必要があります。
また、万が一漏れた場合でも、水素が溜まらないようにすることです。水素には、空気より軽く、拡散のスピードが非常に速い性質があるので、漏れても瞬時に上方に拡散して引火の危険性は低くなります。水素を扱う設備で天井部分が風通しのよい構造にしているのはそのためです。

  水素 天然ガス LPG ガソリン 空気
重さ(相対値) 1 8 22 50 15
拡散速度(相対値) 100 25 20 8
燃焼範囲(空気中濃度) 4%-75% 5%-15% 2%-10% 1%-7%
自然発火温度 570℃ 580℃ 450℃ 300℃
毒性 なし なし ややあり あり

水素ステーションの安全対策

ENEOSの水素ステーションでは、こうした水素の特性を正しく理解し適切に取り扱うことで、安全に運営を行っています。

水素ステーションにおける安全対策の5原則

  1. 1.水素を漏らさない
  2. 2.漏れたら早期に検知し、拡大を防ぐ
  3. 3.水素が漏れても溜まらない
  4. 4.漏れた水素に火がつかない
  5. 5.万が一、火災等が起こっても周囲に影響を及ぼさない
    又は影響を軽減する