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「再生可能エネルギーからの直接MCH電解合成」について電解技術討論会で発表

再生可能エネルギーからの直接MCH電解合成について、2019年11月19日(火)~11月20日(水)に京都大学吉田キャンパスにて開催された、「第43回電解技術討論会-ソーダ工業技術討論会-」で発表を行いました。本討論会ではソーダ電解、水電解、溶融塩電解、機能水、有機電解、アノード処理、金属精錬、水素エネルギー、めっき技術、電解殺菌、廃水処理、排ガス処理など、幅広い分野の電解技術について発表・討論が行われました。この中で、有機電解技術の一種である当社の直接MCH電解合成技術(Direct MCHプロセス)について発表を行いました。
当社はCO2削減に貢献できる技術として、再生可能エネルギーの貯蔵・輸送スキームを研究しています。エネルギーキャリアの一種であるメチルシクロヘキサン(以下「MCH」)を製造するためには、従来、水電解によって水素を製造・貯蔵し、トルエンと合成させる2段階のプロセスが必要でした。当社が開発している直接MCH電解合成法では、トルエンの電解により水素ガスを経由せずに1段階でMCHの合成が可能なため、MCHの製造コストを大幅に低下させることができます。
本討論会では直接MCH電解合成セルの開発において、トルエン極の物質移動を向上させる流路について発表を行いました。直接MCH電解合成技術の実用化にあたっては、1セル当たりのトルエン反応速度を向上させることが重要となります。反応速度を向上させるためには、物質供給律速とならないために反応場へのトルエン供給速度を向上させる必要があります。我々は、トルエン供給に適した流路構造の開発を行うことで、反応場へのトルエン供給速度を向上させることに成功し、結果として電流密度(単位面積当たりのトルエン反応量)の向上に成功しました。

図1 直接MCH電解合成における、各流路の触媒層方向への流速分布シミュレーション

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