本牧インサイト

「木質バイオマスからの世界初となるエタノール連続生産技術開発」について第12回日中韓石油技術会議で発表

地球温暖化対策としての二酸化炭素排出量削減の観点から、バイオ燃料による化石燃料の代替が注目されています。バイオ燃料は木や草など植物由来の燃料であり、燃焼により排出される二酸化炭素は元々光合成によって大気中から吸収されたものなので、化石燃料の使用に比べ大気中の二酸化炭素量増加を抑制できると言われています。中でもバイオエタノールは自動車の燃料として利用でき、日本でもガソリンに一定量混合することが法律で定められていますが※1、現在利用されているのは海外から輸入したサトウキビやコーン由来のエタノールのみであり、食料との競合が問題視されています。

当社は王子ホールディングス株式会社と共同で、紙の原料である木質バイオマス(木)からエタノールを効率よく生産する技術を開発しました。さらに、100kL/年の実証プラントを稼働させ、20日間以上の連続生産に世界で初めて成功しています※2。本成果は、2019年11月12日~14日に韓国ソウルで開催された第12回日中韓石油技術会議にて発表しました。

木質バイオマス由来のエタノールは食料との競合を回避できる反面、サトウキビやコーン由来のエタノールと異なり原料の前処理が必要でかつ分解が難しいため、生産コストが高いという問題がありました。今回開発した技術は製紙に用いられてきた前処理(パルプ化)と、分解に必要な酵素やエタノールへの変換に必要な酵母を再利用できる連続プロセスの融合により、低コストでの生産を可能にしています(図1)。本技術の実用化により二酸化炭素排出量を削減、低炭素社会実現への貢献が期待されます。

図1: 木質バイオマスからのエタノール連続生産プロセス概要(左)と実証プラント(右)

本研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「セルロース系エタノール生産システム総合開発実証事業」の一部として、実施しました。

  1. ※1製油所で化石燃料由来のイソブテンと反応させ、ETBE(Ethyl-tert-Butyl-Ether)に変換して混合。
  2. ※2当社調べ。