本牧インサイト

新たな橋面舗装用アスファルトの開発

道路舗装は、一般的に石油アスファルトと石・砂などの骨材を混合してロードローラーにより締固めを行います。一方、橋の鋼床版上を舗装する場合は、錆びを防ぐための防水性やたわみ追従性が求められ、グースアスファルトという硬質のアスファルトを高温で融かして流し込む施工が行われます。グースアスファルトとして、トリニダッドレイク(トリニダード・トバゴ)という湖から噴き出している特殊なアスファルト(TLA)が使われますが、特有の臭気があることや産地が限られることから代替材料の探索が進められています。
当社の製油所でガソリン、灯軽油、重油、アスファルトなどの石油製品を作る際、「溶剤脱れきピッチ」(図1、図2)が副生します。この溶剤脱れきピッチは発電用燃料などに使用していますが、非常に硬質であり、臭気も少ない特徴を有することから、当社、国立研究開発法人土木研究所、株式会社NIPPOの三者共同でグースアスファルトへの適用可能性を検討しました。
室内での混合物評価、土木研究所舗装走行実験場内(図3)の模擬鋼床版や模擬コンクリート床板上での試験施工を行い、汎用舗装機械での施工性も確認しました。その結果、溶剤脱れきピッチでの舗装は従来グースアスファルトの性能目標値を満足すること、併せて臭気低減にも寄与できることがわかりました。今後は長期耐久性評価を行い、橋面舗装への適用に向けて更に検討を進めていきます。

本研究テーマは日本道路協会主催の第33回日本道路会議(2019年11月7日、8日)において優秀賞を受賞しました。

図1.溶剤脱れきピッチの留分イメージ※1
図2.溶剤脱れき装置 模式図※1
図3.土木研究所舗装走行実験場※1
図4.荷重車による促進載荷試験※1

参考文献

  1. ※1小早川尚之、寺田剛、藪雅行、菊池玲児、第33回日本道路会議、No.3079(2019)