スーパーハイランドSEシリーズ
摩擦低減化
摩擦低減化 各潤滑領域での摩擦低減化を目指す
スーパーハイランドSEシリーズの開発にあたり、「境界潤滑領域」「EHL領域」「流体潤滑領域」の各潤滑領域で、油圧作動油の摩擦特性を向上させることが有効な方法であると考えました。
摩擦低減化に対する考え方
ポンプにおける潤滑領域
ポンプ摺動部は基本的には流体潤滑ですが、部品の摩耗が認められることから境界潤滑領域も存在すると考えられます。また、高圧下では部分的EHL(弾性流体潤滑)領域も存在します。
各潤滑領域における摩擦低減に及ぼす因子
各領域における技術的課題
EHL領域における摩擦低減
スーパーハイランドSEシリーズは、溶剤精製基油よりさらにトラクション係数の低い高度水素化分解基油を使用しています。高度水素化分解基油の特長としては、直鎖状炭素鎖の長い組成が多いため、粘度-圧力係数が小さいことです。そのため、高圧下での粘度が低く、トラクション係数つまりEHL領域での摩擦係数が低くなります。
ボールオンディスク試験
- 試験条件
- 速度:1m/s、0.49GPa 潤滑油基油のトラクション特性
境界潤滑領域における摩擦低減
スーパーハイランドSEシリーズは、摩擦係数を高めるZnDTPを使用せず、摩擦調整剤を添加することにより低摩擦化を実現します。
- ※ZnDTP(Zn系油圧作動油の主添加剤)は、金属表面上にガラス状ポリリン酸塩被膜を形成するため比較的高い摩擦係数を示します。
SRV試験
- 試験条件
- ボールオンディスク(SUJ-2)
- 温度:40℃ 周波数:50Hz
- 振幅:1.5mm 荷重:100N