環境負荷低減活動
基本的考え方
ENEOSグループは、地球環境への影響を常に配慮した事業活動を行い、廃棄物の削減や、土壌・大気・水質等の環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。
土壌・地下水環境保全への取り組み
事業所およびその周辺の土壌・地下水環境を守るためさまざまな活動に積極的に取り組んでいます。
2003年の土壌汚染対策法の施行をきっかけに、環境に対する事業者の責任はますます重要になりつつあります。その事業者の責任を果たすため、設備の強化、運営力向上、環境調査、浄化工事などさまざまな観点から自主的な取り組みを行っており、環境の影響を最小化する努力を続けています。
土壌汚染調査・対策実績(2022年度)
(費用:百万円)
件数 | 費用(百万円) | |
---|---|---|
土壌調査 | 61 | 262 |
土壌汚染対策 | 25 | 506 |
- ※ENEOSのサービスステーション・油槽所等の土地取引に係る対応物件。
- ※2022年度土壌汚染の公表物件は1件でした。
土壌汚染調査・対策実績(2021年度)
(費用:百万円)
件数 | 費用(百万円) | |
---|---|---|
土壌調査 | 53 | 80 |
土壌汚染対策 | 14 | 161 |
- ※ENEOSのサービスステーション・油槽所等の土地取引に係る対応物件。
- ※2021年度土壌汚染の公表物件はありません。
土壌汚染調査・対策実績(2020年度)
(費用:百万円)
件数 | 費用(百万円) | |
---|---|---|
土壌調査 | 46 | 61 |
土壌汚染対策 | 3 | 163 |
- ※ENEOSのサービスステーション・油槽所等の土地取引に係る対応物件。
- ※2020年度土壌汚染の公表物件はありません。
土壌汚染調査・対策実績(2019年度)
(費用:百万円)
調査 | 対策 | |||
---|---|---|---|---|
件数 | 費用 | 件数 | 費用 | |
サービスステーション | 107 | 188 | 24 | 325 |
油槽所 | 10 | 8 | 0 | 0 |
製油所・事業所等 | 2 | 7 | 0 | 0 |
合計 | 119 | 203 | 24 | 325 |
- ※ENEOS
土壌汚染の公表物件(2019年度)
区分 | 所在地 | 調査結果 | 進捗状況 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
土壌 | 地下水 | |||||
物質 | 倍率 | 物質 | 倍率 | |||
遊休地 | 愛知県 | ベンゼン | 140 | ベンゼン | 3.5 | 対策中 |
稼動中 | 北海道 | ベンゼン | 60 | ベンゼン | 140 | 対策中 |
- ※ENEOS
土壌汚染調査・対策実績(2018年度)
(費用:百万円)
調査 | 対策 | |||
---|---|---|---|---|
件数 | 費用 | 件数 | 費用 | |
サービスステーション | 116 | 220 | 39 | 767 |
油槽所 | 2 | 4 | 2 | 536 |
製油所・事業所等 | 9 | 10 | 0 | 0 |
合計 | 127 | 234 | 41 | 1,303 |
土壌汚染の公表物件(2018年度)
区分 | 所在地 | 調査結果 | 進捗状況 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
土壌 | 地下水 | |||||
物質 | 倍率 | 物質 | 倍率 | |||
遊休地 | 愛知県 | ベンゼン | 4.80 | - | - | 対策完了 |
遊休地 | 愛知県 | ベンゼン | 2.10 | - | - | 対策中 |
土壌汚染調査・対策実績(2017年度)
(費用:百万円)
調査 | 対策 | |||
---|---|---|---|---|
件数 | 費用 | 件数 | 費用 | |
サービスステーション | 170 | 224 | 54 | 1,630 |
油槽所 | 1 | 0.3 | 0 | 0 |
製油所・事業所等 | 7 | 18 | 1 | 1,377 |
合計 | 178 | 243 | 55 | 3,007 |
土壌汚染の公表物件(2017年度)
区分 | 所在地 | 調査結果 | 進捗状況 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
土壌 | 地下水 | |||||
物質 | 倍率 | 物質 | 倍率 | |||
遊休地 | 愛知県 | ベンゼン | 5.8 | ベンゼン | 94.00 | 対策中 |
廃棄物削減対策
ENEOSグループは、循環型社会の実現を目指し、廃棄物の適正管理・再資源化などによる最終処分率の低減に取り組んでいます。
最終処分率の低減
ENEOSグループは、ゼロエミッション・プラス(最終処分率0.3%未満)の維持を目標に掲げ最終処分率の低減に取り組んでいます。
製油所、石油化学工場から排出される主な産業廃棄物としては、装置・タンクのクリーニング時に排出される含油汚泥類、使用済廃触媒、そして排水処理装置からの汚泥などがあります。発生の抑制、汚泥・廃酸・集じんダスト・廃触媒等により減量化・再資源化に取り組んでいます。
2022年度の最終処分率は0.78%となり、ゼロエミッション・プラスの目標未達となりました。主な要因は、室蘭バイオマス発電所の運転開始に伴い発生した廃棄物の最終処分量の増加です。
引き続き、ゼロエミッション・プラスの目標達成のための取り組みを推進していきます。
廃棄物最終処分量の推移
廃棄物最終処分率の推移
廃棄物の再資源化
以下の廃棄物について、それぞれに適した方法で再資源化しています。
- 1.汚泥
- 排水処理工程から発生する汚泥は、脱水・乾燥された後、主にセメント原料として再資源化されています。
- 2.廃酸(廃硫酸)
- 高オクタン価ガソリン製造に使用された硫酸は、使用後、再生処理会社で再資源化されています。
- 3.集じんダスト
- 燃焼排気ガスに含まれるダストは、電気集じん機で捕集され、セメント原料として再資源化されます。サーマルリサイクル※後、路盤基材などに再資源化されることもあります。
- 4.廃触媒
- 石油の脱硫などの工程で用いられた触媒は、最終的に活性を失い廃触媒となります。廃触媒に含まれるバナジウム、モリブデンなどの有用な金属は、金属回収処理会社において可能な限り回収され、再資源化されています。
- 5.廃アスベスト
- 設備の補修などで発生するアスベスト含有保温材などについては、無害化処理である溶融処分を実施し、路盤基材などに再資源化されています。
- ※廃棄物を単に焼却処理するだけではなく、焼却の際に発生するエネルギーを回収し、発電などに利用すること。
揮発性有機化合物(VOC)排出抑制への取り組み
揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)は、窒素酸化物(NOx)と太陽の紫外線により光化学反応を起こして光化学オキシダント生成の原因になると考えられています。
当社グループでは、VOCの排出量について、政府の方針に基づく石油業界の削減目標(2000年度比30%以上の削減)を上回る排出抑制対策を2010年度までに講じてきました。
2022年度の排出量は7,414トンになり、2000年度比78%削減となりました。
引き続き、排出抑制対策の維持管理により、VOCの排出抑制に努めていきます。
製油所・油槽所などにおけるVOC排出量の推移
製油所・油槽所などにおけるVOCの排出と抑制対策
大気汚染の防止対策
ENEOSグループは、大気汚染物質(SOx・NOx・ばいじん)の排出について、さまざまな対策を講じて大気環境中への排出抑制に努めています。
大気汚染物質の排出抑制
石油製品の製造工程では、蒸留、反応等に必要なエネルギーとして燃料を消費しますが、これに伴い、主に燃料中に含まれる不純物の燃焼に起因した硫黄酸化物、その他の大気汚染物質が発生します。
ENEOSグループは、それら大気汚染物質等の排出状況を把握するとともに、以下のような取り組みにより、大気環境中への排出抑制に努めています。
硫黄酸化物(SOx)の削減
加熱炉では、硫黄分の少ない燃料を積極的に使用しています。また、加熱炉やボイラーから発生する排気ガス中の硫黄酸化物を排煙脱硫装置により浄化処理することで、法規制値を大幅に下まわる排出量を実現しています。
SOx排出量推移
窒素酸化物(NOx) の削減
加熱炉やボイラーには、窒素分の少ない燃料を使用し、燃焼装置にもNOxが生成しにくい低NOxバーナーを使用しています。さらに、排煙脱硝装置により燃焼排ガスの浄化処理を実施することで、法規制値を大幅に下まわる排出量を実現しています。
NOx排出量推移
ばいじんの削減
重油等の使用量が多いボイラーには、電気集塵装置を設置し、ばいじんの排出量低減に努めています。
ばいじん排出量推移
水質汚濁の防止対策
ENEOSグループでは、さまざまな対策を講じて水質汚濁の防止に取り組んでいます。なお、2022年度の増加要因は、集計対象拠点の拡大によるものです。
COD汚濁負荷量の推移
製油所などにおける取り組み
排水管理
製油所等の排水は、下図のような排水系統により処理しており、排水の処理状況は、汚濁度を示すCOD(化学的酸素要求量)などの指標により適正に管理しています。
化学物質管理
ENEOSグループは、化学物質の適正な管理に努めています。
化学物質の排出・移動量の把握と管理
PRTR法に基づく集計結果
2001年4月から、PRTR法の規定に基づき、指定化学物質の排出・移動量を集計しています。
2022年度の排出・移動量は2,280トンでした。主な排出・移動物質は、ガソリン成分であるベンゼン、トルエン、キシレンで、その排出・移動先は主に大気・水域でした。なお、トルエンの増加要因は、集計対象拠点の拡大によるものです。
(トン)
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ベンゼン | 66 | 74 | 75 | 74 | 267 | 281 | 169 | 78 |
トルエン | 244 | 273 | 259 | 245 | 239 | 187 | 185 | 651 |
キシレン | 156 | 178 | 169 | 162 | 214 | 188 | 186 | 203 |
オフィスにおける環境負荷低減
ENEOSグループは、オフィス業務においても、省エネルギー・廃棄物の削減・グリーン調達の推進等の環境負荷低減に努めています。
オフィスにおける省エネルギー
本社ビルでの昼休みの自動消灯をはじめ、未使用機器の節電、空調温度の見直し、クールビズの実施等身の周りの省エネルギーに取り組んでいます。
また、製油所・製造所の事務所などにおいて、効率の高い照明に切り替える取り組みを実施しています。
オフィス等における廃棄物の削減
本社、支店等のオフィスにおいても分別回収の推進に取り組んでいます。短焦点プロジェクタや、会議室用大型ディスプレイの導入により紙ゴミの排出量削減を図っています。また、サービスステーションにおいては、廃油や廃オイルエレメント等の回収に取り組んでいます。