社会貢献

公益信託ENEOS水素基金

基金創設の趣意

今日、地球温暖化問題をはじめとするさまざまな環境問題がクローズアップされており、CO2や有害物質を排出しない「新たなエネルギーシステム」を構築し、将来にわたり持続・発展し続ける社会(サステナブルな社会)を創造することが求められています。
水素は、燃料電池などに利用され、サステナブルな社会を創造するための新たなエネルギーとして期待されておりますが、エネルギーシステムとして社会に普及させていくためには、水素の「製造」、「貯蔵・輸送」とCO2の「固定化・削減」の各分野において、大きな技術革新が必要です。
こうしたなか、ENEOSは、独創的かつ先導的な基礎研究への助成を通じて、水素エネルギー社会の早期実現に貢献することを目的に2006年3月、公益信託ENEOS水素基金を創設しました。本基金は、水素エネルギー供給に関する「独創的かつ先導的な基礎研究」に対し、総額5,000万円以内(1件あたりの上限は1,000万円)の助成金を支給するものです。総額15億円を信託財産として拠出することにより、約30年に亘り、安定的に研究助成を継続することが可能です。
これにより既存概念にとらわれない「新たな科学的原理」の構築や検証に向けた基礎研究を促進し、技術革新の芽を育て、水素社会の早期実現に貢献することを目指しています。

2023年度は、42件の応募の中から、本基金の運営委員会による厳正な審査を経て決定した6名に対し、助成を行いました。

公益信託について

公益信託とは、委託者が、財産を一定の公益目的のために信託銀行(受託者)に拠出し、設定した公益信託(公益信託契約)に従って、信託銀行がその財産を管理・運用し、公益のために役立てる制度であり、奨学金の支給、自然科学・人文科学研究への助成、自然環境保護活動への助成、国際協力・国際交流促進など、さまざまな金銭給付型の公益事業に活用されている。
なお、公益信託の設定にあたっては、主務官庁の許可が必要となる。

公益信託ENEOS水素基金の概要

名称 公益信託ENEOS水素基金
受託者 三井住友信託銀行
主務官庁 経済産業省
信託目的 地球環境と調和したエネルギーである水素エネルギーの供給に関する基礎研究への助成を行い、もって水素社会実現に貢献することを目的とする。
信託財産 約6.5億円(2023年12月末現在)
助成金額 総額5,000万円以内とする。(1件あたりの上限は1,000万円)
助成する研究 水素エネルギーの製造および貯蔵・輸送ならびにCO2の固定化および削減に関連する技術分野で、独創的かつ先導的な基礎研究を対象とする。
助成対象者 大学や公的研究機関等、営利を目的としない国内研究機関に所属し、「助成する研究」に合致する研究を行う者とする。
募集・選考方法 公募とし、当公益信託の運営委員会にて審査する。